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測定方法と根拠
このアプリは、アンケートに「答える」診断ではなく、あなたの動きを「測る」診断です。ボタンを叩く間隔や、文章を読み終えるまでの時間という実測データだけから結果を組み立てます。そして、測ったものをどう解釈しているかを、このページですべて公開します。結果はすべて「目安」です。
1. 何を測っているか
- 叩く: 5種類のテンポ(最速・速い・心地よい・遅い・最遅)をタップで計測します。
- 読む: 短い文章の読了時間から「文字/秒」(主指標)と「モーラ(音)/秒」(副指標)を計算します。
- 「話す」「聞く」は構想中です。
- 計測データは端末の中だけで完結します。 サーバーには何も送信しません。履歴はお使いのブラウザにのみ保存されます。
2. どう測るか
- BPM はタップ間隔の中央値から求めます。平均ではなく中央値を使うのは、途中の1〜2回のブレに結果が引きずられないようにするためです。
- リズムの安定度は、タップ間隔のばらつき(変動係数)を 0〜100 の目安に換算したものです。自発的なテンポが同じ人の中でよく再現されることは研究でも示されています(Engler, Zamm & Møller, 2024)。
- 引き戻しは、計測の前半と後半の BPM 差です。自分の心地よいテンポから離れた速さを刻むと、だんだん心地よいテンポの方へ戻っていく現象が知られています(Yu, Russell & Sternad, 2003)。
- 読む診断では、読んでいる間に経過時間を表示しません。見えると急いで読んでしまい、普段の読む速さが測れなくなるためです。読了後の内容確認クイズは流し読みの検出用で、外れていた場合は速度の数字を参考程度に見るよう添えます。
計測まわりの実際の値
- 計測時間: 最も速いテンポ 10秒 / 速いテンポ 10秒 / 最も心地よいテンポ 10秒 / 遅いテンポ 12秒 / 最も遅いテンポ 15秒(遅いテンポほどタップ間隔が空くので長めに測ります)
- BPM はタップ2回から。安定度はタップ3回以上・変動係数 0.3 以上で 0 になる線形の目安。引き戻しの判定はタップ5回以上で、前後半の差(丸め後)が ±5% 以上、かつ心地よいテンポの方向へ動いたとき(最速の計測で減速・最遅の計測で加速)に「引き戻し」の一言を添えます。それ以外のときはキープできた旨を表示します。
- 読む診断は、短めで 2 秒未満・5 分超、長めで 3 秒未満・10 分超の計測は不成立として扱います(誤タップ・離席への防御)。
ゲームはどう採点するか
- 4 つのリズムゲームの点数も、タップの時刻だけから計算します。点数はあそびの目安で、能力の判定ではありません。
- リズムキープ: お手本テンポを聴いて同じテンポを刻みます。正確さ60%+安定度40%で採点し、正確さは目標テンポからのずれが30%で 0 点になる線形の目安です。
- エコービート: 音の鳴る同期区間25%・無音区間75%の重みで合成します(無音でもテンポを保てるかが主役のため)。拍ごとの正確さは、最寄りタップのずれが拍間隔の0.35倍で 0 点になる線形の目安で、連打は比例して減点します。無音中に自分の心地よいテンポへ寄っていく「引き戻し」(上の Yu et al., 2003)は減点せず、目安の一言として添えるだけです。
- サードクラップ: 2 つの拍手から間を外挿して 3 拍目を打つ課題です。理想時刻 ±0.75拍の回答ウィンドウ内の最寄りタップだけを採点し、ウィンドウ外のタップは減点しません。ただしウィンドウ内で複数回タップした場合は連打とみなし、正確さを 1/タップ数に減らします(◎判定も不可)。±0.12拍以内は満点の平ら台(全ラウンド◎なら 100 点)の目安です。
- ビートキャッチ: ボールの到達時刻とのずれで採点します。到達 ±0.6拍のウィンドウ内に絞ってから、90ms 以内の連続タップを端末の二重入力対策として 1 回に畳んで判定します。±0.12拍以内は満点の目安です。ウィンドウ内に複数のまとまりが残った場合は連打とみなし、正確さを 1/まとまり数に減らします(◎判定も不可)。雲で隠れるラウンドは「心の中で数える」課題で、見えるラウンドとの得意・不得意の差は、可視・隠れがそれぞれ 3 ラウンド以上そろい差がはっきりしたときにだけ、中立の一言として添えます。
- ハイスコアはこの端末の中にだけ保存されます。スコア共有 URL の数字は受け取り側で検証できない自己申告値のため、公式記録としては扱いません。
3. どう「型」にまとめるか — 数値が本体、型はラベル
型を先に決めて数字を当てはめているのではありません。型は必ず連続値(BPM・文字/秒・ペース比)から導き直せるラベルで、元の数値も一緒に表示します。
- 拍感タイプ: 心地よいテンポの BPM 帯(6段階)× テンポの幅を主表示にし、レンジ内の位置は補助タグとして添えます。BPM 帯は約3,600人の大規模オンライン計測(Hammerschmidt, Frieler & Wöllner, 2021)の分布を踏まえた目安です。
- 読み方の型: 「長め ÷ 短めのペース比」(長さ耐性)と内容確認の正誤(内容理解)の組み合わせです。ペース比は文字/秒ではなくモーラ(音)/秒で取ります(2本の文章の漢字率の差を打ち消すため)。「定速」の帯は 0.85〜1.25 と、あえて上側に広い非対称にしています。理由は2つ — 短い文章1本の読み速度は測定のゆらぎが大きいこと(Altpeter et al., 2015 / Brysbaert, 2019)、短め→長めの順で読むと比がやや大きく出やすいこと(Chromý & Tomaschek, 2024)。なお「速く読める=良い」という序列は作りません。速さと理解の間にはトレードオフがあることが知られています(Rayner et al., 2016)。
- 相性: 2人の心地よいテンポの近さなどから「一緒にリズムを刻んだときの合わせやすさ」の目安を出します。主な根拠は査読済みの同期研究(Zamm, Wellman & Palmer, 2016)で、プレプリント(Snapiri, Kaplan & Landau, 2025)は研究段階の補助扱いです。人間関係の総合的な相性を判定するものではありません。
型の境界の実際の値
- BPM 帯の境界: 180 / 135 / 110 / 85 / 60 BPM(6帯)。
- テンポの幅: 最速と最遅の差が 60 BPM 未満で「せまめ」、120 BPM を超えると「ひろめ」。
- レンジ内の位置: 0(最遅寄り)〜1(最速寄り)で 0.6 以上なら「速め寄り」、0.4 以下なら「遅め寄り」。
- 相性の点数: 心地よいテンポの差を「差 120 BPM で 0 点」の線形で 100 点換算し、BPM 帯の距離 1 段ごとに 6 点を引きます。4 段階(◎○△☆)は差が 15 / 35 / 60 BPM 未満かで決まり、クイック計測どうしなど計測が揃っていないときは「目安の強さ」を弱めて表示します。
- これらの境界は研究分布を踏まえた運用値で、データが溜まったら見直します(変更履歴は GitHub で公開されます)。
4. 「速い方から上位◯%」の正体
大規模研究のテンポ帯に合わせた対数正規モデルによる近似です。厳密な順位ではなく「分布のだいたいこのあたり」という目安として表示しています。
モデルの実際の値
- タップ間隔の対数正規分布を仮定し、中央値 545ms(約 110 BPM 相当)・対数標準偏差 0.3 としています。表示は 1〜99% の範囲に丸めます。
5. 1回の結果で決めつけない
- テンポは時間帯や覚醒度でも変わります(Hammerschmidt & Wöllner, 2023)。
- 1回の計測には測定のゆらぎが必ず乗ります。読み速度の研究でも、短いテストほど結果がばらつくことが知られています(Brysbaert, 2019 / Altpeter et al., 2015)。
- だからこのアプリには履歴機能があります。何度か測って眺めたときの「だいたいこのあたり」が、あなたのテンポです。
- 心地よいテンポは、有効な記録が3回以上たまると、直近10回までの中央値を「いつものテンポ(目安)」として表示します。読む診断も、完走した記録(速さ・ペース比)をこの端末の中にだけ保存し、あとから見返せます。
6. やらないこと
- テンポから性格・能力・健康状態を断定しません。計測が教えてくれるのはリズムの特徴までで、人となりの分類はその外側にあります。
- このアプリは医療・メンタルヘルスの診断ではありません。
- 外部の性格分類との対応づけはしません。
- 母集団との比較(「平均より速い」など)は、査読済みの基準値を確認できた軸にしか載せません。読む診断に無いのはこのためです(日本語の黙読の基準値は現時点で確認できていません)。
- 未査読のプレプリントは「研究段階」と明示し、単独の根拠にしません。
7. 引用の品質管理
このアプリが引用する全文献(55本)は、DOI を学術文献の登録機関(Crossref)のデータと機械照合し、筆頭著者・発行年・タイトルに食い違いがないかを配信前に自動チェックしています。過去には誤った書誌5件を発見し、隠さず訂正して履歴を公開しました。文献リストと訂正履歴は docs/references.md にあります。